
アメリカにいる友人から札幌にあるキリスト教会を紹介された。こちらは彼が住むインディアナポリスに本部をおくバプティスト教会と深いつながりがあり30年以上も前から毎年のように多数のメンバーがChoir(聖歌隊合唱団)となってこちらを訪れるなど交流が続いている。ここの主宰者でおられる神舘牧師から感動的な話を拝聴したのでここに紹介したい。
アメリカで実際にあった話である。ひと組の若い夫婦がいた。とっても幸せな夫婦生活を送っていたが、妻のスーザンは夫のマイクに対し、あなたは私を少しも省みてくれない。私を愛してくれていないんだわ。私は幸せでない。と夫を責める。夫は妻に対し 『 自分一人で出来ることは自分でやって欲しい。一日中、君の面倒を看ることは出来ない』 と妻をなだめる。実は彼女は目が見えない。1年ほど前まではごく普通に物を見れていたのだが、何かの原因で視力を奪われたのであった。正常の視力を持っていた人が、突然暗闇の世界に投げ出される。その境地は測り知れない。さぞ無念であろう。 マイクは妻に台所への行き方、料理道具のある場所、居間のソファーの場所、寝室へのドアの開け方、家の中の物の置き場所、あらゆることをつきっきりで教えた。しかしそれは家の中だけでのことであった。ある日スーザンはマイクに 『 私、外で働きたいわ。お願いだから、仕事場まで私を連れていってちょうだい』 と懇願する。マイクは 『 わかった。バスに乗って職場の近くまで連れていってあげよう。ただし君と一緒に行動するのは1週間だけだ。それからは君一人で行動するのだ。わかったね』 約束の1週間が過ぎ、それから2週間ほどたったある日のことスーザンが職場の近くでバスから降りようとすると、バスの運転手が彼女に声をかけた。『 あなたは幸せですね』 スーザンはなぜ運転手がそのように云うのか最初はわからなかった。そして運転手が言葉を続けたとき、突然彼女は泣き崩れた。号泣したのである。運転手が続けた言葉はこうであった。『 あなたは幸せです。 ほら毎日毎日あの木陰で、あの通りの角で軍人さんがあなたをじーっと見守っていますよ。もう2週間ほど続いています』
マイクは軍人であった。『 あなたは幸せです』 神舘牧師のうしろでじーっと聞き入っていたアメリカ人女性が眼にいっぱいの涙を浮かべた。神舘牧師の神のお陰とは何か、夫婦愛、人間愛とは何かを教える感動のスピーチであった。私もあふれる涙を抑えることが出来なかった。
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